同時に数冊の本を読む。「劒岳 点の記」。

今日は大体、本を読んでいた気がする。
といっても一冊をずっとというわけでなく、最近読んだ本の影響で複数の本を同時に読み進めている。
というわけで、読み終わった本もあれば、少しだけ進んだ本もあり、新たに読み始めた本もある。
小説が今のところ多いから、エッセイやら新書やらを加えていこうかと考え中。


夜は録画してたまった映画を観ることにした。
選んだのは「劒岳 点の記」という作品。


あらすじ
明治時代末期、日本地図はまだ完成していなかった。
それは唯一の空白とされる部分があったからで、そこは剣岳という誰も頂上に達したことのない山だった。
当然、登山に困難な地形、自然条件が故に未踏峰とされていたわけだが、

地図を完成させることを任務とする陸軍の測量部は遂に剣岳への登頂、測量を命ぜられる。
主人公の測量官、柴崎芳太郎は測量隊を率いる立場として、情報収集・調査などを念入りに行い、
また陸軍の人間だけでなく、地元の協力者を加え測量隊を結成する。
そして、登頂となるのだが、、、
未踏峰というだけあって最初に登頂することが重要な意味を持ち、日本山岳会という組織と競うことになり、
剣岳登頂の任務はより複雑に、大事になっていくのだった。




録画したのは相当前で、それ以来、ずーっと放置;
まぁ、多少は登山をしていただけに気になっていた作品ではあったわけだ。
明治末期、、ざっと百年近く前の日本なんだよなぁ、

歴史が苦手な自分としては生活やら文化がどんなことになってるかはあまり想像がつかない。
ただ登山の装備を比較すると、今はいかに進化しているか、

また当時はどれだけ頼りないものだったかが分かる。
靴は測量隊はブーツを履いていたりするけど、地元の人はわらじだったり;
ザックに関しては背負うのは竹かなんかでできたカゴだったりする。
当然着ているものだって、今みたいにカッパは無いだろうし、まして通気性なんて、、
それで雪が残る山に登ろうというのだから、とてもじゃないけど信じられない、
今の万全の装備をしたって、寒いときは寒いし、辛いときは途中でやめたくなるほどだから。


ストーリー自体もなかなか面白いと思う。
日本山岳会との争いは剣岳登頂に関してだけでない。
登山をどういうものとしてとらえるか、立場の違いから考えが対立するのだけど、
互いに競って登山をしていく中で様々なことを考える。
測量隊も軍人と地元の人間というメンバーでかみ合わないことも多い、それが登山を通して少しずつ変化し、
絆が結ばれるという展開も良い。
ただ、少し違和感を感じるのは、妙に深刻さが伝わらない気がした。
雪崩に巻き込まれても全員生還するし、
ライミングの最中に落下し、さらにはロープが切れて地面に叩きつけられる、
それでも全く歩けないほどのケガではない。
まぁ、本来なら無事だということに越したことはないけど、
映画である以上、ちょっと悪い方向を期待してしまう;
もちろん、危険な状態にさらされる場面もあるのだけど、それもあっという間に展開してしまって、、。
もしかすると完全版とかなら、もっと細かいシーンもあるのかも。


主人公のキャラが好きだったなぁ、謙虚で優しくて、物静かな感じなのだけど、
責任はしっかり果たそうとする熱い感じも持っているし。
それをサポートする、地元の人間で登山案内の宇治長次郎も似たような性格で、
自然の中で育ったのが分かるような、素朴な感じの人で良かった。


50/100