一日に映画三本なんて、人生初だと思う。

小銭を貯金してきた。
やはり、窓口までジャラジャラと持っていくのは恥ずかしかったので、ATMにすることにした。
ATMが50枚と予想していたので、300枚持っていき、6回繰り返そうと考えていた。
いざ行ってみると100枚まで受け付けてくれるので、3回でいけて良かったと思ったのも束の間、
硬貨を入れる部分が自販機などについてる形の受け口なのだ。
まぁ、幅こそ5ミリ程度はあるので入れやすくはなっているけど、結局一度に一遍には入らない。
しかも、一度目に入れているときに分かったけど、時間制限付きなのだ。
それが、硬貨を入れている時は閉まらないとか、入れたあとに少し待ってくれるとかならいいんだが、
時間になると問答無用で閉まってしまう、、。
(30秒くらいになると、現金を投入してくれとのアナウンスが入る。気分としては折り返し地点。)
大体1分といったところだけど、小銭をちゃんと揃え、なおかつスピーディーに行わないと、
100枚を投入しきるのは困難だ(笑
おまけに、一度あまりに勢いが良すぎたのか、手順をやり直せと返却されてしまった、
それを回収するのがなんとも情けなかった(5円玉が数十枚)。
夕方で人が多い時間帯なのか、段々と混んできたので何度か外に出たりして、、って、
完全に不審者だな、ははは、、。
あと、これを二回は繰り返すことになるだろう、、、。


帰ってくると、また映画、正直返却日まで時間がない。
あさってまでに5本は観ないと、なので今日は3本。
「シャイン」レインマン」「プルーフ・オブ・マイライフ」
この三つに共通するのは、どれも天才が登場するということ。
今回借りるに当たって、天才に関わる映画をちょっと探していたのもあって、
店にあったのを借りてみた。


「シャイン」は実在のピアノ演奏者にまつわる話。
演奏家ではないのだが、過剰ともいえるピアノの教育をする父親に育てられた少年がいた、
それが主人公のデイヴィッド・ヘルフゴットだ。
才能を見出され、次第に世界に注目されるようになるが、度を越した過保護を貫く父によって、
その道を閉ざされる。
しかしある時、家を出る決意をし新たな道を歩み始める。
その後もまた波乱万丈な人生となっていく。


主人公の常に激しく動く人生は興味深い、しかし一番考えさせられたのは、父子の関わり方だ。
父親は家族を支配しているかのようだ、愛しているという言葉には確かに嘘はないのかもしれない、
しかし、それが本当に全ての場面でそうなのかというとそうは思えなかった。
主人公に対して、功績を評価する一方で、反発したりできなかったりすると虐待に近い暴力をふるう、
結局は愛しているのは「才能」の部分だけで、果たして一人の人間として愛していたのか、
というのがどうにも信じられなかった。
また、父親には親に音楽の道を絶たれたという背景もあり、息子の順風満帆ともいえる音楽の道に、
嫉妬している部分もあったのかもしれない。
本当に愛だけだったとしても、行き過ぎた愛というのもまた考えものだとは思うのだが、
子供を育てたこともない自分にはまだまだ分からないところだ。


あと、主人公を山寺宏一が声優をしている、演じるのが難しい役だと思うのだけど、
やっぱりあの人は上手だ。
二枚目の役から、コメディアンのような陽気な役までこなして、ちゃんと演技が要求されるのも、
全く違和感がない、声を聴いてると安心するくらいなもんなんだから(笑


次は「レインマン」。
これは自閉症を抱える天才と、その弟との話。
主人公である弟は父親の訃報を受ける。
喧嘩別れしていたためか、相続した遺産は車一台とバラだけだった。
しかし、現金も残されていたのだが受取人は秘密とされ教えてもらえなかった。
ある時、父の名前を知る者と出会うその男は兄だった、兄がいることを初めて知った、
そして、遺産の300万ドルは兄のものとして残されていたのだ。
平等に遺産が相続されず、金の価値を理解できない兄に大金が残されたのが納得いかない主人公は、
兄を誘拐同然に連れ出し、遺産の平等な分配を求め兄を保護する医者に、駆け引きを持ちかける。
そこから、兄弟の旅が始まる。


兄の存在を知らなかった主人公だが、共同生活するなかでいくつも問題にぶつかりながらも、
様々な経験をしながら兄弟ということを実感していく。
そのお互いに少しずつ変わっていく様子がとても感動的で、だんだんとあったかい気持ちになる。
旅の途中で分かってくるのだけど、兄は数字に関わる天才だ。
計算、数の把握を瞬時に行い、高い記憶力を持つが自閉症がゆえに、生活する上で問題があったり、
極めて狭い世界で生活している。
不運にも狭い世界で生活しているわけだが、それがゆえに特定の分野で高い集中ができるのかと思う、
自閉症という病はまた別なのかもしれないけど、感覚や刺激を極端に減らすことで得るものは、
とても大きいはずである。
漫画のバガボンドの中で佐々木小次郎は耳が聞こえない、またしゃべることもできない、
しかし、高い身体能力、、、というか身のこなしの素晴らしさを持つ。
自分の体と会話する、つまり向き合う時間は十分にあったからこそではないかと。
静寂の中で高い集中力が得られるのは当たり前で、考えなんかも意図的に排除できれば、
もっと集中力が得られる。
しかし、それは簡単ではない、、、でも天才ならできてしまうのかも、しかも、
都合の悪いところだけを排除したりと。


天才に関わることは好きだ。
それはまだ突然自分も天才に、なんてことを考えてるのかなぁ、、、それを考える時間が無駄だ(笑


最後は「プルーフ・オブ・マイライフ」。
天才数学者を父に持つ、娘の話。
父は亡くなる、晩年は精神疾患を抱えていたが、娘が父を懸命に支えていた。
父の才能を娘は受け継いでいたが、精神疾患を自分もまた抱えているのではないかと悩む、
また、自分の将来についても、人と関わりながら考えていくこととなるのだが、、。


頭の良し悪しは別として(笑
主人公に共感できることが多いような感じがして、一気に話に引き込まれた、
考えて考えて、深く沈み、だんだんと人に関わるのが億劫になる、こんなところが。
途中、ものすごく悲しいところがある、「信じる」というたった一つの頼りが裏切られること、
信じることで、やっとホッとできると思えたのにそれが崩れ去る、こっちまで辛くなった。
天才をテーマとした作品の中でも、とても面白い作品だった。
この映画を見つけたとき、そのレビューに誰かが、やり直すことの励みになる、
ということを書いていたが、自分はこの映画を観て本当にそう思った。
観て良かったということだけでなく、心境にまで変化を与えてくれた、

この作品に出会えたことに感謝したい、レビューを書いていた人にもね(笑
また、何か行き詰ってしまったらこれを観ようと思う。


という感じで、どこが日記なんだよ、、、。


50/100