終わりのない物語に出会おう。

ある短編小説を読んだ。
通学途中に読んでいたものなのだが、続きが気になって家で読みきってしまった。
元々家にあった本で、ずっと前に読んだはずだがほとんど忘れていた。
小説の終わりは、ハッピーともバッドとも言えないものだった。
というのも、疑問系で終わったというべきか、解決しないで終わったような感じで、
エピローグが欲しくなるのだ。


読み終えた後に、まず、したことは考えるということだった。
普段なら、小説を読み終えたことに満足してそのままなことが多い、しかし、今回は少し考えた。
それは、終わりがなかった、、、というか終わりを求めようと考えたからだと思う。
終わりが無いと感じるのであればそれを求めようとする、だから印象にも残るはず。
前回、自分が読んだ時には終わりが無いと感じなかった、ゆえに、
終わりを考えようとすら思わなかった。
終わりを意識するのは、物語に共感するかどうかのような気がする、
全く、自分と当てはまらなかったり、何か近いものを感じることが無ければ、
一応の終わりは、その人にとって物語の終わりとなるのだろう。
何か共感するものを感じる人は、その未来を求めようとし、考える。


今回のようなことを考えたので言えば、過去には「風の谷のナウシカ」がある。
もちろん、アニメ版ではなくて、原作の漫画の方である。
漫画ではあるが、一巻読むたびに胸が苦しくなるような内容で、様々な要素が取り込まれ、
人間の生々しさが伝わってくる作品となっている。
全ての結末がつげられ、簡単なエピローグは文字で紹介されているのだが、
やはり考えさせられる。
しかし、この物語の場合は共感というよりは、どちらかというと、
今を生きる自分たちへの警告のような感じを毎回読後に思う。
描かれたのは何十年も前だが、その伝えようとしている本質は、
この先、ずっと人間が抱えていかなければならないものに感じるのだ。


話が一体どこへ行ってしまうのやら、、、話を戻そう。
はっきりとした終わりのない物語、すごくモヤモヤする。
でも、そういったものに出会えるということは、今の自分の中でもモヤモヤしているものがあって、
それを考えるためのいい機会なのかもしれない。
過去の自分が終わっていた物語も、今の自分には終わりがないのかもしれない、
そう考えると、たまに一度読んだものを読み返してみるのもいいなと思った。


5/100